見た目の良い株価チャートを簡単・正当にブログに貼る方法を著作権の基礎知識と合わせて解説
「ブログに株価のチャートを貼り付けたいんだけど、どうすれば?」
「使っている証券会社のパソコン画面のスクリーンショット(スクショ)をブログに使ってもいいの?」
投資系のブログを運用している人は、自分のブログに株価のチャートを貼り付けたい場合も出てくるかもしれません。
そんな時、どのようにして自分のブログに素敵な感じの株価のチャートを貼り付けたらいいのでしょうか?
結論から言うと、「TradingView」のサイトを利用すれば、素敵な感じの株価のチャートを自分のブログに簡単に、正当に貼り付けることができます。
そこでこの記事では
- 著作権の基礎知識
- 証券会社のチャートを無断で利用することと著作権の関係
- TradingViewを使う理由
- TradingViewを利用してブログに株価チャートを貼り付ける手順
などを、行政書士やブロガーを10年以上しているわたしがご説明します。
著作権の基礎知識
著作権のことを少しご紹介します。
【著作権に関して詳しく知りたい方はこちら】
- みんなのための著作権教室
▲読みやすくておすすめ - 著作権テキスト-令和5年度版-(文化庁 著作権課)
▲より詳しく知りたい方はこちら
著作権とは?⇒他人が「無断で○○すること」を止めることができる権利
著作権とは、著作者に対して法律によって与えられる権利のことです。
言い換えると、他人が「無断で○○すること」を止めることができる権利です。
著作権法によって次のように定められております。
著作者は、次条第一項、第十九条第一項及び第二十条第一項に規定する権利(以下「著作者人格権」という。)並びに第二十一条から第二十八条までに規定する権利(以下「著作権」という。)を享有する。
著作権には「著作者人格権」と「著作権(財産権)」があります。
おおまかな内容は下記のとおりです。
権利の概要 | 具体的な権利 | 権利の移転 | |
著作者人格権 | 著作者の精神的利益を守るための権利 | 公表権、氏名表示権、同一性保持権 | 譲渡不可 |
著作権(財産権) | 著作者の財産的利益を守るための権利 | 複製権、上演権・演奏権、上映権 など | 譲渡可 |
著作物、著作者とは?
著作権法によって次のように定められております。
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。
二 著作者 著作物を創作する者をいう。
- 思想・感情を創作的に表現したもの → 著作物
- 著作物を創作した人 → 著作者
ということですね。
【言葉の意味をもう少し詳しく解説】
- 「思想又は感情」を
-
「単なる事実やデータ」など、人の思想や感情が伴わないものは著作物から除かれます。
- 「創作的」に
-
下記のものは著作物から除かれます。
- 他人の作品の「模倣品」など、創作が加わっていないもの
- 「ありふれたもの」(誰が表現しても同じようなものになるもの)
- 「表現したもの」であって
-
「アイデア」など、表現されていないものは著作物から除かれます(ただし、アイデアを解説した「文章」は表現されているため著作物になりうる)。
- 「文芸、学術、美術又は音楽の範囲」に属するもの
-
「工業製品」などが著作物から除かれます。
具体的に、著作物にはどういったものがあるの?
これについても著作権法によって定められております。
主に下記のようなものがあります。
この法律にいう著作物を例示すると、おおむね次のとおりである。
一 小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物
二 音楽の著作物
三 舞踊又は無言劇の著作物
四 絵画、版画、彫刻その他の美術の著作物
五 建築の著作物
六 地図又は学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形の著作物
七 映画の著作物
八 写真の著作物
九 プログラムの著作物
思想・感情を創作的に表現した上記のものが著作物になるということですね。
ほかにも「二次的著作物」「編集著作物」「データベースの著作物」「共同著作物」なるものがありますが、詳しい説明は省略します。
いずれにしても、何らかの形で創作者の個性が発揮され表現されているものは、多くの場合、著作物に該当すると考えた方がよさそうです。
他人の著作物を利用するには⇒原則、著作権者の許諾が必要
他人の著作物を利用する場合は、原則として、著作権者の許諾(了解)を得ることが必要です。
著作権者は、他人に対し、その著作物の利用を許諾することができる。
2 前項の許諾を得た者は、その許諾に係る利用方法及び条件の範囲内において、その許諾に係る著作物を利用することができる。
例外(著作権者の許諾を得ずに利用できる場合)
著作権法では、一定の場合に、著作権者の許諾を得ずに著作物を利用することができる例外規定(権利制限規定)が定められております。
- 私的使用のための複製
- 図書館等での複製・インターネット送信等
- 引用・行政の広報資料等の転載
- 学校その他の教育機関における複製・公衆送信等
- 非営利・無料の場合の著作物利用 など
それでは本題|ブログに株価のチャートを貼り付けるには
それでは、ブログにイイ感じの株価チャートを貼りたい場合、どうすればいいのでしょうか?
証券会社のチャートを無断で利用すると著作権法違反の可能性がある
株価の数字自体は「単なる事実やデータ」なので著作物には該当しませんが、それを表現したチャートは創作者の思想などが入り込む余地がありそうなので、著作物に該当する可能性があると思います。
なので、証券会社のチャートをスクショして自分のブログに無断で貼り付けて使用するのはやめた方がよさそうです。
「引用」として、利用する手もありそうだけど・・・
【結論】自分のブログに株価のチャートを貼り付けたいならTradingViewを利用する
では、どうしたらいいかというと、TradingViewのサイトを利用すればOKです。
TradingViewのサイトを利用することによって、下記のようなチャート▼が簡単に作れます。
そして、それを正当に自分のブログに貼り付けることができます。
※TradingView提供のチャート▲
ちなみに、TradingViewでは様々な国の様々な金融商品の情報を見ることができます。
TradingViewを使う理由は?⇒許可されているから
なぜTradingViewを利用するのがよいかというと、TradingViewのサイトの利用規約によってチャートなどの使用が許可されているからです(条件アリ)。
利用規約はサイトの一番下の方にあります。
利用規約の中の下記の部分▼に、一定の条件をもとにチャートなどを使用することを許可する旨の記載があります。
利用するための条件は「常にTradingViewへの帰属が明確に表示されること」です。
具体的には、たとえばチャートを使用する場合は
- 「この分析に用いているチャートプラットフォームはTradingViewの提供です」や「TradingView提供のチャート」といった説明を
- フォントサイズ10pt = 13PX = 3.4ミリ以上で記載しておく
ということです。
上記で明確にチャートなどを使用することを許可されておりますので、リスクを冒して証券会社のチャートを利用(引用)するよりは、TradingViewのチャートを利用したほうが安心です。
ブログにチャートを貼る際の実際の手順
それでは、TradingViewのサイトを利用して、具体的にブログにチャートを貼り付ける手順をご紹介します。
上記でご紹介したチャート(VYM(バンガード・米国高配当株式ETF)のチャート)を例にご紹介します。
【STEP1】チャートを表示させたい商品を探す
「マーケットを検索」をクリックします。
検索窓に「VYM」と入力し、該当の商品をクリックします。
下記のチャートが表示されます。
【STEP2】チャートの表示を変える
下記の箇所をクリックします。
「エリア」をクリックします。
表示が変わります。
下部の棒グラフを消すには、棒グラフのいずれかの部分をクリックします。
すると、棒グラフの部分に〇が付きます。
分かりにくいですが、棒グラフのところにいくつか〇が表示されております。
「DEL」キーを押すと、棒グラフが消えます。
【STEP3】チャートの表示したい期間を変更する
下記の部分をクリックすることによって、表示したい期間を選択することができます。
任意の期間を表示させたい場合は、一番右にあるカレンダーのようなものをクリックします。
上記の画面が出てきますので、「カスタム範囲」をクリックし、任意の期間を指定して「移動」をクリックします。
すると、一番初めにご紹介した、2021年12月1日から2024年3月13日までの期間のチャートが表示されました。
【STEP4】チャートをダウンロードする
画面の右上の方にあるカメラのようなアイコンをクリックします。
すると、下記画面が出てきますので、「画像をダウンロード」をクリックします。
任意の場所に保存して完了です。
これで上記のようなチャートがパソコン内に保存されました。
【STEP5】条件を満たしたうえでチャートをブログに掲載する
上記でご紹介しましたが、自分のブログにチャートを載せるための条件は下記でしたね。
- 常にTradingViewへの帰属が明確に表示されること
- 「この分析に用いているチャートプラットフォームはTradingViewの提供です」や「TradingView提供のチャート」といった説明を
- フォントサイズ10pt = 13PX = 3.4ミリ以上で記載しておく
なので、わたしは下記のように掲載しております。
【VYMのチャート】 ※TradingView提供のチャート
以上が、ブログにチャートを載せるための手順でした。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
自分のブログに株価などのチャートを載せたい場合はTradingViewを利用するのがおすすめです。
その際は、ぜひ、TradingViewへの言及を忘れないようにしましょう。
上記ではTradingViewを利用してブログにチャートを貼り付けることをご紹介しましたが、それだけではなく、TradingViewにはさまざまなツールや機能などがあります。
自分のブログに、リアルタイムのチャートを自分好みにカスタマイズして、埋め込むこともできるよ
しかし、わたしのような「ゆる投資家」には、正直、よくわかりませんので、ご興味ある方はいろいろ触ってみられたらいいかとおもます。
なお、TradingViewのサイトを利用して一定時間経過すると無料登録を促す表示が出てきます。
結構早く出てくるイメージです(10~15分くらいかな)。
これが表示されると、それ以降の操作ができなくなりますので、それを回避したければ無料登録する必要があります(無料登録しなくても、一度画面を閉じて再度開けば、また一定時間利用できる)。