【行政書士の職印】どうやって作成したらいいの?規則などを徹底解説
「今度、行政書士で開業するから、業務に使う職印を作らなければならないんだ」
さて、この行政書士の職印、どうやって作ればいいのでしょうか?
- 作成する際の注意ポイント
- 職印に関するルール
- どこで買ったらいいの?
などについて、行政書士を10年以上続けているわたしが自身の体験談も交えてご紹介します。
【結論】行政書士の職印の作成については、所属する行政書士会に確認しよう
行政書士の職印について、法令上で定められた基本的なルールがあります。
しかし、それ以外にも
- 形
- サイズ(大きさ)
- 材質など
作成するうえでの具体的な指示・推奨が各都道府県の行政書士会において定められている印象です。
なので、職印を作成する際は、からなず、事前に所属する行政書士会に確認するようにしましょう。
行政書士の職印を作成する際の基本的ルール
それでは、まずは基本的なルールを見ていきます。
行政書士は、日本行政書士会連合会の会則の定めるところにより、業務上使用する職印を定めなければならない。
上記に「日本行政書士会連合会の会則の定めるところにより」とありますので、次は「日本行政書士会連合会の会則」を見てみます。
ここでは行政書士個人に関する職印について紹介するね
(行政書士法人の職印に関する話は最後にちょっとだけ)
行政書士が、業務上使用する職印は、別記様式第一に準じて調製しなければならない。
2 行政書士は、法第16条の5第1項又は第2項の規定により単位会の会員となった後、直ちに、前項の職印を押した印鑑紙に氏名を自署して単位会に提出しなければならない。改印したときも、また同様とする。
次に、上記第1項に規定する「別記様式第一」を見てみます。
行政書士の職印は、上記のような
- 角型で
- 「行政書士(氏名)之印」と縦書きで書かれたもの
を作りなさいね、ということですね。
ここまでが法令に定められた全国的なルールになります。
次は、各地の行政書士会で定められているルールを見ていくよ
ちなみに、上記(日本行政書士会連合会会則第81条)第2項の「法第16条の5~~~」の「法」というのは行政書士法のことを指します。
「単位会」というのは各都道府県の行政書士会のことを言います。
「印鑑紙」というのは下記でご紹介する職印届のことです。
各地域のルール(富山県行政書士会の場合)
まずは、わたしの事務所のある富山県でのルールです。
本会の会員となった者は、直ちに職印届を本会に提出しなければならない。改印したときも、また同様とする。
2 法人会員は、その事務所ごとに職印届を本会に提出しなければならない。
3 職印届の様式は、規則で定める。
上記第3項に「職印届の様式は、規則で定める。」とありますので、次はその「規則」を見てみます。
この規則で定める様式は、つぎの各号に掲げるものとする。
(1) 個人会員入会届(様式第1号)
(2) 法人会員入会届(様式第2号)
(3) 個人会員職印届(様式第3号)
※以下省略
上記の「個人会員職印届(様式第3号)」を見てみます。
ここまででは、職印作成上の具体的なルール(大きさなど)に関する記載は見受けられません。
最後に、富山県行政書士会の下記資料を見てみます。
ここに、具体的ルールが少し記載されております。
- 形は角印で作り
- 文字は「行政書士○○○○印」として
- 大きさは「縦・横1.5センチ」としなさい
ということですね。
でもここで疑問が生じます。
先ほど基本的ルールの方で見た「日本行政書士会連合会会則」の「別記様式第一」では、刻む文字としては「行政書士(氏名)之印」となっておりました。
富山県行政書士会の資料と日本行政書士会連合会会則では、「之」があるのとないので異なっております。
「之」の文字、入れるか入れないかどっちだろう・・・
些細なことかもしれませんが、このようなこともありますので、職印を作成する際は、かならず所属する行政書士会に事前に確認するようにしましょう。
- 印鑑の大きさ
- 刻む文字
- 文字の配置
- 書体 など
行政書士の登録申請をする際などに確認されればよろしいかと思います。
わたしの職印
ちなみにわたしの職印は「行政書士○○○○印」となっております。※○○○○部分は氏名
大きさは1.8センチで作成しております。
上記の富山県行政書士会の資料では、大きさは「縦・横1.5センチ」と記載されておりました。
わたしが開業した10年以上前は、大きさの指定はなかったのかな・・・覚えてないわ・・・
その他の都道府県のルール
富山県以外の各地域のルールを見てみます。
東京都行政書士会の場合
- 職印の大きさは一辺が15mm以上 ~ 24mm以下
- 正方形・角印
- 縦書き「行政書士○○○○(氏名)之印」
という指示があります。
大阪府行政書士会の場合
- 角印にしてください。
- 記載内容は縦3行となるようにしてください。
- 書体はテン書体を推奨しております。
- サイズは15mm角を推奨しております。
結構いろいろ書かれてますね。
埼玉県行政書士会の場合
- 規格:18mm 角
- 印材:ゴム以外のもの
石川県行政書士会の場合
- サイズは1.5センチ角のものに統一をお願いしています。
とあります。
このように各地域の行政書士会によって細かい部分が定められております。
なので、繰り返しになりますが、職印を作成する際は、事前に必ず、所属する行政書士会に確認するようにしましょう。
行政書士の職印、どこで買う?
行政書士の職印に関して、買うところとしては、主に下記のお店になるかと思います。
- リアルのお店
- ネットのお店
特にこだわりなどが無ければ、ネットのお店がおすすめです。
- ネットのお店の方がリアルのお店より安いと感じる
- パソコンの画面上で事前に印影イメージが確認できる
わたしの場合⇒ネットで購入
わたしは10年以上前の開業時、「印鑑本舗」というネットのお店で購入しました。
メールソフトを検索したらその時の情報が出てきました。
- 角印(手彫り仕上げ)・黒水牛特上・角天丸・18mm・ケース別売り:4,480円
- 印鑑ケース(角天丸・角寸胴)・プレステージケース(ブラック)・18mm用:1,900円
- 彫刻方向:縦彫り
- 彫刻行数:おまかせ
- 彫刻名:行政書士○○○○印 ※○○○○部分は氏名
- 書体:印相体
印鑑は普通に良かったんですが、ケースの方があまりよくなかったです。
結構早いうちに、ケースの綴じる部分の爪が折れてしまいました。
その結果、ぱちんとケースを綴じることができなくなりました。
分かりにくいですが、下側の爪が折れているんです・・・
行政書士の職印が買えるネットのお店5選
行政書士の職印は下記のお店で購入することができます。
- 印鑑本舗
- はんこdeハンコ
- ハンコヤドットコム
- 印鑑の匠ドットコム
- しるし堂
わたしは「印鑑本舗」「はんこdeハンコ」「しるし堂」を利用したことがあります。
先ほどご紹介したわたしの職印のほか
- わたしや家族の実印、銀行印、認印
- 会社の設立依頼をいただいたお客さまの「会社印鑑3本セット(代表者印、銀行印、角印)+ケース」
などを購入するのに利用しました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
この記事のポイントは下記の2点です。
- 職印の作成に関しては地域ごとのルールがあるので、かならず、事前に所属する行政書士会に確認しよう
- 職印はネットで買うのがおすすめ
職印を作成することは行政書士の義務です。
事前に用意し、日本行政書士会連合会において登録が承認されたら、速やかに所属する行政書士会に届け出るようにしましょう。
おまけ(行政書士法人の職印)
行政書士で開業する際、いきなり行政書士法人を設立して開業するケースは少ないと思いますので、上記では個人で開業する場合の職印作成に関してご紹介してきました。
ここではおまけとして、「行政書士法人の職印」としてはどのような法令上の規定などがあるかどうか見ていきます。
まずは基本となるルールを見ていきます。
基本的なルール
行政書士法人は、法第16条の6第1項若しくは第2項の規定により単位会の会員となった後、又は既に入会している単位会の都道府県内に従たる事務所を設置した後、直ちに、業務上使用する職印を押した印鑑紙に事務所の名称を記載して単位会に提出しなければならない。改印したときも、また同様とする。
2 前項の職印には、行政書士法人の名称を使用しなければならない。
次に、各地域ごとのルールを見ていきます。
下記はわたしの事務所がある富山県のルールです。
各地域のルール(富山県の場合)
上記でもご紹介しましたが、再度、富山県でのルールを見てみます。
本会の会員となった者は、直ちに職印届を本会に提出しなければならない。改印したときも、また同様とする。
2 法人会員は、その事務所ごとに職印届を本会に提出しなければならない。
3 職印届の様式は、規則で定める。
ここまで見ると、行政書士個人の場合との違いは、下記のようなことであることが分かります。
- 事務所ごとに職印届を提出すること
- 職印には行政書士法人の名称を使用すること
上記第3項に「職印届の様式は、規則で定める。」とありますので、再度、その「規則」を見てみます。
この規則で定める様式は、つぎの各号に掲げるものとする。
(1) 個人会員入会届(様式第1号)
(2) 法人会員入会届(様式第2号)
(3) 個人会員職印届(様式第3号)
(4) 法人会員職印届(様式第4号)
※以下省略
最後、「法人会員職印届(様式第4号)」を見てみます。
行政書士個人の場合とは様式が違うね
以上が「行政書士法人の職印」に関するルールのお話でした。