【日本政策金融公庫の創業融資】創業計画書を作成する2つの目的
「融資を受けるために、創業計画書ってどうして必要なの?」
新たに事業を始める方が金融機関から融資を受けたいと思ったときは、かならず創業計画書が必要になります。
そこでこの記事では
- 融資を受けるために創業計画書はどうして必要か?
ということについて、今まで行政書士として累計5000万円以上、日本政策金融公庫などの公的融資獲得にかかわってきたわたしがご説明します。
【結論】創業計画書が必要な2つの理由
創業計画書を作成する目的は下記の2つの為です。
- 自分の考え・思い・ビジネスモデル等の具体化
- 他人に自分の思いを理解してもらうため
ひとつずつ見ていきます。
【1】自分の考え・思い・ビジネスモデル等の具体化
1つ目の目的は、創業計画書を作成することによって、創業者自身が自分の考え・思い・ビジネスモデル等を確認・具体化できるというところにあります。
創業計画書を作成することによって、思いがカタチになる
事業計画には、ビジネスモデル、マーケティング、お金の出入りなどいろいろな要素・側面がありますから、あらゆる方向から事業が検討されていなければなりません。
よく、自分が得意なことや好きなことに関してはいくらでも話すことができても、それ以外のことに関しては全く答えられない…お金の動きなどもどうなっているのかさっぱり分からない…などという人がいます。
このような状態では、実際にそれが事業として成り立つのか分かりませんし、金融機関の担当者から見ても、怖くてお金など貸せません。
【2】他人に自分の思いを理解してもらうため
2つ目の目的は、他人に自分の考えや思いを説明し理解してもらうことにあります。
口頭だけでは自分の考えなどが正確には伝わらない…
創業者については、まだ全く実績がなく、唯一あるものといえば今後の計画だけです。
なので、金融機関から見れば創業計画書はもっとも重要な貸出の根拠となり、また担保の代わりにもなるものです。
金融機関は書類絶対の文化!
金融機関からお金を借りたいと思ったら、金融機関の人に事業計画について理解してもらい、お金を出すことに承諾してもらわなければなりません。
面談の担当者だけでなく、その上司などの人にもね…
彼らは、お金を出しても大丈夫かどうかを判断するために、申込者から提出された創業計画書を事細かにチェックし
- 本当に事業として成り立つのか?
- お客さまは喜びそうか?
- 世間に受け入れてもらえるだろうか?
- この値段で本当に売れるのだろうか?
- どのくらい利益が出て、しっかり返済できるだろうか?
など、ありとあらゆる角度から検討します。
したがって、この金融機関の検討に耐えうるだけの創業計画書を事前にしっかりと検討して作成しておく必要があります。
しっかりとした創業計画書を作成しておけば、面談の担当者以外にも自分の考えなどが正確に伝わりやすいね!
何度も検討し、より洗練されたものに
創業計画書を作成して具体的にしていくと、数字的に成り立つと思っていたものが成り立たなかったりします。
アイデアをしっかりと筋の通った計画にするために、何度でも内容を見直したり変更を加えていったりして、より現実的で実現可能性のある計画に仕上げていきましょう。
上手に書くより、まずはポイントをおさえよう
とはいえ、今まで創業計画書を作成したことがなく、金融の知識や経験がない人が、いきなり「金融機関を納得させられるものを作れ」と言われても、なかなか難しいと思います。
日本政策金融公庫のホームページからダウンロードできる創業計画書のひな形を使用して、ただ単に空欄を埋めたという程度では、融資の実行は難しいでしょう。
また、申し込みは何度もできるわけではなく、基本的には一発勝負です。
もし融資実行不可になれば、最低でも6ヶ月ほど期間を空けなければ、再度の申込みはできないと言われております。
融資の可能性を上げるためには、文章の書き方の上手い下手はともかく「金融機関は創業計画書に何を求めているのか?(融資審査のポイント)」を把握しておく必要があります。
そこで、次はその融資審査のポイントについて見ていきましょう。
融資審査のポイント
融資審査のポイントは下記の4つです。
- 事業に必要な経営能力があるか?
- 本当に売上が立てられる計画になっているか?
- キチンと返済できる計画になっているのか?
- 数字は根拠をもって作られているか?
詳しくは下記ページをご覧ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
創業計画書を作成する目的は下記の2点の為です。
- 自分の考え・思い・ビジネスモデル等の具体化
- 他人に自分の思いを理解してもらうため
上記でも書きましたが、創業者には過去の実績というものがありません。
それはある意味いいようにも使えます。
例えば、すでに事業を行っている方でその事業がうまくいっていない場合、お金を借りる際にはとても苦労するでしょう。
ピンチな状況でありながらも、決算書の中身はよくありませんし、なおさら金融機関も融資には慎重になるでしょう。
そして、その状況を説明し説得し理解してもらうためには、より一層の熱意・努力等が必要になります。
このように、良くも悪くも一旦起業してしまうと、必ず実績というものがついてきます。
しかし、創業者にはそういったものが一切ありません。
あるのは未来だけです。
なので、事前に事業について十分に考えて、輝かしい未来を創業計画書の中で表現すればよいのです。
楽観的な計画ではダメよ…
現実的で実現可能性のある計画ね…
またそれが、融資だけではなく、開業後の事業運営にもきっと役に立つはずです。