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銀行の融資審査|創業計画書を作成する際に意識しておきたい4つのポイント

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「日本政策金融公庫などから融資を受けるために創業計画書を作成しなければならないんだけど、どんなことを意識して作成したらいいの?

何も考えないで、ただ単に空欄を埋めていくだけでは融資を受けるのは難しいです。

「そんなこと言ったって、今まで事業を興したこともなければ創業計画書を作成したこともないんだから…」

そこでこの記事では

  • 創業計画書を作成する際に意識しておきたい4つのポイント

などについて、行政書士として累計5000万円以上、日本政策金融公庫などの公的融資獲得にかかわってきたわたしがご紹介します。

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【融資審査】4つのポイント

  1. 事業に必要な経営能力があるか?
  2. 本当に売上が立てられる計画になっているか?
  3. キチンと返済できる計画になっているのか?
  4. 数字は根拠をもって作られているか?

上記を意識して、創業計画書を作成したり面談に挑むようにしましょう。

【1】事業に必要な経営能力があるか?

金融機関の審査には大きく分けて2つのポイントがあります。

2つのポイント
  1. 経営能力の有無
  2. 事業計画の妥当性

これら2つは、車の両輪のような関係であり、どちらか一方が優れていても、もう一方が不安定であれば、創業計画書の出来としては不十分なものとなってしまいます。

(1)経営能力の有無

創業の動機やこれまでの経験、事業に対する熱意・考え方などが審査のポイントになります。

創業計画書の作成に関しても、上記のようなポイントについて自分の言葉でしっかりと述べられていることが必要です。

創業計画書の記入項目になっているから、ただ単に埋めるというものではなく、融資審査のポイントとして、自分の気持ち・熱意が金融機関の担当者に伝わるように、また、融資の実行に結びつくように考えて記入しましょう。

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(2)事業計画の妥当性

収支予測の組み立て方やその見通し・資金繰り・財務的根拠について、どのように考えているかが審査のポイントとなります。

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【2】本当に売上が立てられる計画になっているか?

下記2点を事前にしっかりやっておくことが大切です。

  1. 事業化できるか否かを分析する
  2. 創業計画書に記載する経営資源をすべて把握する

(1)事業化できるか否かを分析する

融資審査のポイントとして、その計画が事業として本当に成り立つのかどうかという部分がとても重要になってきます。

新規事業のアイデアやビジョンがどんなに素晴らしいと自分が感じていても、本当に事業として成り立つかどうか客観的なマーケティング調査が必要となります。

もし、調査することなく、その計画の内容が単なる希望的な予測やアイデア程度のものならば、その内容は「絵に描いた餅」でしかありません。

結果、融資を受けられないだけでなく、現実での事業の破綻という結果につながりかねません。

そうならないためにも、作成する計画は

  • 「事業として成り立つ」=「継続的に売上、利益が出る」

ものになっていなければならず、そのための基礎となる「事業の仕組み」がしっかりできているかどうかが重要になってきます。

事業の仕組みとは

簡単に言えば

  • どこでその事業をして
  • いくらでどこから仕入れ
  • いくらで誰に売り
  • どのぐらいの経費が掛かり
  • 実際のもうけはいくらなのか

という商売のサイクルです。

そして、これを裏付けるものが、収支予測の組み立て方やその見通し・資金繰り・財務的根拠から成る「事業計画の妥当性」という事になります。

(2)創業計画書に記載する経営資源をすべて把握する

上記の商売のサイクルを途中で破綻することなくずっと回していくためには、開業後の実務や人、金の流れを常に意識しておくのはもちろん

  • 計画の段階でも、それを裏付ける要素(営業場所、仕入れ先や販売先、取り扱う商品やサービスなど)について、できるだけ具体的になっている

必要があります。

創業計画書を作成する前に、一度この商売のサイクルを紙に書き出してみて、すべて(人、モノ、金、サービス等)がきちんとつながって回っていくかどうか確認することをお勧めします。

もし、途中でつながりが途絶えてしまったら、その計画は検討不十分(事業として成り立たない)なので、再度内容を検討していく作業が必要となります。

さらにポイントアップ!

上記で事業の仕組みについて述べましたが、これがあると融資審査の時ポイントアップする項目▼があります。

  • もうすでに売る見通しが立っている売上
    ⇒小売業であればもうすでに入っている注文書
    ⇒なにか作業を請け負うのであればその契約書 など

これらは大きなポイントになりますので、融資の面談時にはぜひ持参・提示するようにしましょう。

【3】キチンと返済できる計画になっているのか?

上記で「本当に売上が立てられる計画になっているか?」をお伝えしましたが、いくら売上が上がっても、それ以上に原価や経費が掛かってしまい利益が出ないのであれば、金融機関はお金を貸してはくれません。

金融機関は、収入・支出・利益のバランスを非常に重視します。

返済するためには利益を出さなければなりませんが、返済のための利益が捻出できるかどうかは、次の算定式で計算することができます。

  • A(「税引き後利益」+「減価償却費」) > B(「返済額」)

※個人事業の場合は、Aからさらに生活費を控除する。

このAの部分が「償却前利益」といい、金融機関から見たらこの部分が返済原資になります。

Aの方がBよりも大きければキチンと返済していけますし、逆にBの方がAよりも大きい場合はキチンと返済していけません、ということになります。

後者の場合は、原価率の見直しや経費の削減、販売金額などの計画を見直す必要があるでしょう。

【補足説明】Aについて

なぜ、利益に減価償却費を足すかというと、まず減価償却費とは設備などを購入した際にその費用を一度に計上するのではなく、決められた期間に分けて一定の金額ずつを1期1期毎に計上していく費用です。

しかしながら、この仕組みは帳簿上だけで行われるもので、実際にはその1期1期毎には現金の支出は伴わず(現金は、設備などを購入した時に一括して出てしまっている)、その減価償却費として計上した分の金額は、手元に現金が残っている状態になります。

【関連】返済の据え置き制度

一部の融資では、返済開始後の6ヶ月~1年間については利息分の支払いのみをすればよく、元金の部分は据え置かれるという制度があります。

そのため、これを利用すると当初の期間については資金繰りが非常に楽になります。

しかし、この制度を使っている間は、元金部分は全く減りませんから、残りの期間ですべて返済していかなければならないので、据置期間後の残りの期間については、通常の返済方法の時より返済金額が多くなります(返済期間が延長されるわけではない)。

また、利息の総支払金額も通常の返済方法のみの場合と比べ多くなってしまうため、総返済金額も多くなります。

しかし、事業を始めたばかりの時期はなかなか売上が上がらない事もあるかもしれませんので、上手に活用を検討してみましょう。

【4】数字は根拠をもって作られているか?

創業計画書に記載する数値は「裏付けのあるもの」で、かつ「実行が可能なもの」でなければなりません。

この2つがなければ計画全体の信頼性があるとは言えず、計画が「絵に描いた餅」で終わってしまうという結果になりかねません。

ポイントは下記の2点です。

2つのポイント
  1. コスト計算の根拠を説明することは重要
  2. 売上の根拠となる数値は最も重要

ひとつずつ見ていきます。

(1)コスト計算の根拠を説明することは重要

機械や工場などの事業設備や備品など(設備資金)は、その金額の根拠として

  • 見積書や価格が掲載されているカタログやパンフレット、インターネットから価格がわかるものをプリントして持参する

といった事が必要です。

【補足説明】見積もりなどはいくらから必要?

「設備資金の見積もりなどは、いくらぐらいのものから必要?」は地域・担当者などによって違いがあるようです。

わたしが以前、日本政策金融公庫の富山支店で聞いた際は「300万円未満のものは大体想像つくから、見積もりは必要ない」などと聞いたことがあります。

しかし、わたしが融資サポートをしたお客さまのケース(金沢支店)では「パソコンや複合機など、結構少額のものの見積もりの提示も要求された」と、お客さまから聞きました。

なので、設備資金については、金額の大小にかかわらず、基本的にはできるだけ事前に見積もりなどを用意しておいた方がよさそうです。

仕入れ費用については、売上に連動させた上で、ある一定期間ごとに分け、「単価×数量」で金額を算定するなどといった事が必要です。

またアルバイトやパートなどの人件費の部分に関しては、事前に簡単な人員計画表を作り、これを根拠として示すなどの事が必要となります。

(2)売上の根拠となる数字は最も重要

売上の根拠となる数字は、創業計画書に登場する最も重要な情報の一つです。

いや、むしろ「創業計画書全体は、売上が上がる根拠を説明する為のものである」という事が言えると思います。

原価・経費も創業計画書から導き出す数字ですから当然重要ですが、売上ほどではありません。

その理由は、まず売上が作れないビジネスは決してスタートすることができないからです。

そのため第三者が創業計画書を見るときは、上記でもご紹介しましたが、「本当に売上が立てられる計画になっているか?」を一番重要視していると考えてください。

その為には、販売価格(単価)や販売数量について具体的な根拠づけをすることが望ましいと言えます。

【参考】

従業員一人あたりの売上高などの業界平均値については「小企業の経営指標(日本政策金融公庫総合研究所編)」などの公表されている統計データを用いると説得力が増すでしょう。

「小企業の経営指標(日本政策金融公庫総合研究所編)」では、1平方メートル当たりの売上高や従業者1人当たりの売上高などについて調べることができます。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。

再度、融資審査のポイントを振り返ります。

【融資審査】4つのポイント
  1. 事業に必要な経営能力があるか?
  2. 本当に売上が立てられる計画になっているか?
  3. キチンと返済できる計画になっているのか?
  4. 数字は根拠をもって作られているか?

ただ何となく創業計画書の空欄を埋めていっただけでは融資は受けられないということです。

創業計画書を作成する際は、ぜひ上記点を意識して、ひとつひとつ検討してみてください。

融資なんて簡単に受けられる…なんて思わない方がいいよ

上記について言葉でご説明してきましたが、次は、実際に創業計画書の効果的な書き方についてご説明します。

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あぼかど
行政書士など
「会社員しててもちっとも自分の思うように働けない!いろいろ理不尽なことも多いし!!」そこで発想を転換。

会社員人生に見切りをつけ、2003年に「行政書士になること」を決意。約1年間の勉強(独学)の末、翌年の試験に一発合格。2010年代はじめあたりに行政書士で独立開業。

現在は主に行政書士業のほか、大家業や投資からの配当金などにて生計を立てている。
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