行政書士継続のための心得|常に新しい収入源を構築する姿勢とその4つの方法
何事も「続ける」ということは、簡単そうで難しいです。
行政書士もそうです。
そこで、この記事では
- 行政書士の仕事を続けていく上で必要な考え方
- 収入を増やしていくためにはどうしたらいいか?
などを、10年以上行政書士などをしているわたしがご紹介します。
行政書士を続けていくためには⇒常に新しい収入源を構築していく姿勢が必要
行政書士の仕事を継続していくためには常に新しい収入源を構築していく姿勢が必要になります。
会社員は安定している(毎月一定のお給料がある)
会社員のころは仕事をしていれば決められた給料が毎月入ってきました。
仕事さえしていれば安定していたのです。
行政書士の仕事は波がある(仕事が多い月もあれば少ない月もある)
その一方、行政書士として独立した後は、当たり前ですが、仕事が入らなければ収入には結び付きません。
行政書士の仕事は基本単発の仕事がメインなので、毎月同じような量の仕事が確約されているわけではありません。
仕事が多い月もあれば仕事が少ない月もあります。
そういう点では会社員よりも安定しておらず、波があります。
ある日、突然仕事が無くなるかも
そのような中で、もしかしたら、突然「ガクッ」と仕事の量が減ることもあるかもしれません。
そしてそれが元に戻らないこともあるかもしれません。
シンプルに言えば、今ある仕事が突然無くなるかもしれないということです。
そのようなこともありますので、常に新しい収入源を構築していく姿勢というものが必要になってきます。
行政書士に限らず、独立したら自分で仕事をつくっていくしかないよね
新しい収入源を構築するための4つの方法
では、その「新しい収入源」を構築するための方法には、どのようなものがあるでしょうか?
- 業務の幅を広げる(行政書士業務の中でほかの仕事に取り組む)
- ダブルライセンス、トリプルライセンスを目指す(司法書士、社会保険労務士などとの兼業)
- アルバイトをする(早朝、夜間の時間などを有効活用する)
- 士業とは関係のない仕事を始める
ひとつずつ見ていきます。
【1】業務の幅を広げる(行政書士業務の中でほかの仕事に取り組む)
行政書士としてやっていく中で、新しい収入源を構築していくためにやることとして最初に浮かぶことは、「行政書士業務の中でほかの仕事に取り組む」ということです。
行政書士の仕事は大変幅広いです。
行政書士は、とても多くの業務分野にかかわることができるね
開業時に決めた業務分野が軌道に乗ってきたら、ほかの仕事(業務)に取り組んでみるのがいいでしょう。
そうすると次第に業務ごとに売り上げが立っていき、収入の柱が増え、全体の売り上げも増えていくと思います。
わたしは、下記のページで、「開業時は2つか3つの業務に関するホームページを作成しましょう」と言いました。
それらの業務が軌道に乗ってきたら、下記ページなどを見て、また新たに取り組む業務を探してみるのもいいかもしれませんね。
そして、同じようにホームページを新たに作成していくのです。
ホームページを新たに作成していくには、さらなるお金や労力の負担がかかりますが、それが新たな集客や売り上げにつながっていくでしょう。
新しいことをやることは、なにをどんな方法でやるにしても、どっちみち大変だよね
わたしも開業当初は2つのホームページからはじまりましたが、いちばん多い時期では6つのホームページを運営しておりました。
【2】ダブルライセンス、トリプルライセンスを目指す(司法書士、社会保険労務士などとの兼業)
行政書士に限らず、以下のような士業の方は、複数の資格を持って活動されている人も多くいます。
- 行政書士
- 司法書士
- 社会保険労務士
- 税理士
- 土地家屋調査士
- 宅地建物取引士
複数の資格を持っているとその分やれる業務範囲も広くなります。
売上的にも業務の効率化などにも有効です。
それでは、(行政書士以外の)それぞれの資格に関する業務分野を簡単に見ていきます。
司法書士
- 登記又は供託手続の代理
- (地方)法務局に提出する書類の作成 など
※詳しくは日本司法書士会連合会のホームページをご覧ください。
行政書士業務との絡みで言うと、会社の設立や会社の各種変更手続きの業務をやる際、司法書士の資格も持っておくと、自分一人ですべて完結することができるので便利です。
(行政書士は登記申請書の作成と登記申請はできないので、司法書士の資格を持っていない場合は司法書士に外注に出さなければなりません。※詳しくは下記ページをご覧ください)
社会保険労務士
- 労働社会保険手続業務
- 労務管理の相談指導業務
- 年金相談業務 など
※詳しくは全国社会保険労務士会連合会のホームページをご覧ください。
たとえば、これまた行政書士として会社の設立業務を受けた場合、社会保険労務士の資格も持っておくと、「設立後の社会保険(健康保険・厚生年金保険)の手続きなども一緒にやることができますが、どうですか?」とお客さまに提案できるようになりますね。
また、助成金申請等の業務も結構ニーズがありそうです。
税理士
- 税務代理
- 税務書類の作成
- 税務相談
- 会計業務 など
※詳しくは日本税理士会連合会のホームページをご覧ください。
税理士の資格を持っている人は登録するだけで行政書士になることができますので、税理士と行政書士で兼業している人も結構います。
上記で散々ご紹介してきた会社の設立業務で言うと、税理士資格も持っていれば「会社設立後の(税務署や都道府県税事務所などへの)各種手続きも合わせて行うことができます」とお客さまに提案することができます。
また、毎事業年度終了後の決算手続きの受任にもつなげることができ、お客さまとの関係に継続性を持たせることもできます。
土地家屋調査士
- 不動産の表示に関する登記につき必要な土地又は家屋に関する調査及び測量をすること
- 不動産の表示に関する登記の申請手続について代理すること など
※詳しくは日本土地家屋調査士会連合会のホームページをご覧ください。
宅地建物取引士
- 重要事項の説明
- 重要事項説明書への記名・押印
- 37条書面(契約成立後に交付する書面)への記名・押印
宅地建物取引士試験に合格して、実務経験2年以上もしくは実務講習を受ければ宅地建物取引士になることができます。
そうすれば不動産屋として開業することができます。
このように、不動産屋と行政書士で兼業している人もいます。
【3】アルバイトをする(早朝、夜間の時間などを有効活用する)
もっとも手っ取り早く収入を増やしたいのなら、アルバイトをするのもひとつです。
ただし、日中にガッツリバイトをして本業の行政書士業に支障をきたしてしまっては本末転倒ですので、早朝や夕方以降もしくは土日祝日などにやるのがいいでしょう。
わたしも実際に、行政書士を開業してすぐの頃、しばらくは家庭教師のアルバイトをしていました。
会社員時代は組織や人間関係などがわずらわしかったですが、行政書士として独立開業して一人でやっていると、不思議と、時々寂しくなることもあります。
人間って不思議・・・
適度に社会とつながるためにやってみてもいいかもしれませんね。
本業(行政書士業)にプラスになることもあるかもしれません。
時間当たりの単価は安くなる
ただし、雇われの身ですので、当然ながら、自分で仕事を作りだしてやる場合に比べて時間当たりの単価(時給)は安くなります。
時間も体も拘束されます。
純粋にお金だけを求めては非効率になります。
なので、社会貢献や健康のためなど、お金以外に何か別の目的も併せて行えるといいですね。
いいこともある⇒給与所得控除が使える
給与所得控除55万円(もっとも低い収入区分の場合)が利用できますので、年間のアルバイトの給料が55万円以下の場合、給与所得がゼロになります。
給与所得がゼロになるということは、アルバイトで稼いだお金は
- 税金の対象にならず
- 国民健康保険料の算定のもとにもならない
ということです。
アルバイトの給料を年間55万円以下に抑えておけば、全額が丸々収入になるだけです。
これは大きいね!
稼いだお金が税金などの対象にならないということはとてもいいですね。
効率よくお金を貯めることができます。
なので、アルバイトをすることに抵抗のない方は
- 行政書士などの事業収入 + アルバイトの給料
という形もいいかもしれませんね。
メインの収入は「行政書士などの事業収入」、「アルバイトの給料」は副収入として
【4】士業とは関係のない仕事を始める
わたしは行政書士の仕事のほかに下記の仕事もしております。
- 大家さん
- ゆる投資家
- ブロガー
どの仕事も、下記ページで紹介している「気分転換のために書店をぶらぶらしているとき」に見つけた仕事です。
収入につながるルートをいくつか持っていると、もし万が一ひとつの仕事がダメになったとしても、すぐに行き詰ることはありません。
収集の柱を分散しておくことはリスクの分散にもつながります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
この記事のポイントは下記の通りです。
- 行政書士の仕事を継続していくためには常に新しい収入源を構築していく姿勢が必要
- 新しい収入源を構築する方法は下記の4つ
- 業務の幅を広げる(行政書士業務の中でほかの仕事に取り組む)
- ダブルライセンス、トリプルライセンスを目指す(司法書士、社会保険労務士などとの兼業)
- アルバイトをする(早朝、夜間の時間などを有効活用する)
- 士業とは関係のない仕事を始める
わたしは正直、上記4つのすべてをやってきました。
わたし的に最終的に落ち着いたのは「士業とは関係のない仕事を始める」であり、今に至るという感じです。
どのような形になるかは人それぞれでいいかと思います。
それぞれ自分に合ったやり方で進化していければいいよね
「常に新しい収入源を構築していく姿勢が必要」というのは、なにも行政書士に限った話ではありません。
どんな事業者にも当てはまることです。
大事なことは、現状にとどまらずに、新しいことに挑戦したり改善したりする作業が必要ということです。
何もしなければ衰退していくだけかもしれません。