どんな行政書士業務がどのぐらいあるの?|新人におすすめの業務3選
行政書士の仕事って、実際、世の中に「どんな業務」が「どのぐらいの量」あるの?
行政書士を目指す方や行政書士開業予定者にとっては、興味があるところですよね?
そのあたりを、日本行政書士会連合会や富山県行政書士会の調査結果を交えてご紹介します。
また、10年以上行政書士を続けているわたしが、実体験をもとに、新人行政書士にとっておすすめの業務を3つご紹介します。
日本行政書士会連合会がおこなった調査
まずは、全国の行政書士を対象にした、日本行政書士会連合会がおこなった調査結果です。
平成30年行政書士実態調査
日本行政書士会連合会がおこなった「平成30年行政書士実態調査」の結果は下記のとおりです。
(下の方にちょっと長いのでご注意ください。)
上記の表は、回答数は4,338通で、平成30年4月1日時点の行政書士46,915名を母数とする回収率9.2%のデータです。
限られたデータ(行政書士10人に約1人のデータ)ですので、行政書士全体として、どう見るか分かりかねる部分もありますが、少なくとも、世の中には上記のような業務が存在していたことは分かります。
は~、そんな業務あるんだ~
関わったことないものいっぱい・・・
令和5年行政書士実態調査
日本行政書士会連合会がおこなった「令和5年行政書士実態調査」の結果は下記のとおりです。
この調査は、令和5年10月2日から11月13日まで、日本行政書士会連合会の(行政書士)会員サイト上でWEBアンケートを行った結果であり、回答数は3,084件でした。
男女内訳は、男2,506人(81%)、女546人(18%)、未回答32人(1%)です。
富山県行政書士会がおこなった調査(3年分)
次に、わたしが住んでいる富山県の行政書士会がおこなった調査結果(令和3~5年度分)を見てみます。
(ちょっと小さくて見えづらくてすみません・・・)
こちらは、基本的には、富山県の行政書士の全員が回答しているデータになりますので、富山県の業務実績をほぼ正確に表していると言えます。
富山県以外の地域の方においては、場所は違えど、ひとつの参考にはなるのではないかと思います。
取扱業務を決める際の考え方
上記を見れば、なんとなく、世の中には実際に「このような行政書士業務があるんだ」ということが分かると思います。
上記なども参考にし、下記の点などから、開業当初の取扱業務を決めてみられてはいかがでしょうか。
- 自分にとって興味のあること
- 自分が今まで経験してきた仕事に関係あるもの
新人行政書士がやるなら何がいい?おすすめの業務は?
新人行政書士がやるのなら、下記のような業務がおすすめです。
- 建設業関係
- 自動車手続き関係
- 会社設立+創業融資関係
選んだ理由には下記のようなことがあります。
- 行政書士業務としてはわりと代表的な業務である
⇒「ホームページなどで営業しても仕事(需要)がない」が避けられる - 経験を積みやすい
⇒行政書士業務や世の中の理解につながる
わたしが経験したことがある業務の中からのご紹介になりますので、あくまで個人的な見解になります。
行政書士業務は多岐にわたるため、わたしが経験した業務なんてのは、行政書士業務全体から見たらほんの一部分です。
そのあたりをあらかじめご承知のうえ、参考にしていただければと思います。
それでは、ひとつずつ見ていこう!
【1】建設業関係
まず一つ目は、建設業許可などの建設業関係です。
建設業関係は行政書士の代表的な業務のひとつですので、その認知度も高く、一定のニーズがあります。
新規許可取得手続きの受注をきっかけに、下記のような手続き業務の受注につながる可能性があります。
- 毎年の決算届出
- 新規許可取得後の各種変更手続き
- 新規許可取得から5年ごとの更新許可申請
- 公共工事受注の際の経営事項審査手続き
- 産業廃棄物収集運搬業、宅地建物取引業、電気工事業などの周辺産業に関する許認可申請手続き
決算届出や更新許可申請などから、お客さまとの関係が始まるケースもあるよ
このようなお客さまを数多く抱えることができれば、事務所運営も安定するね!
【2】自動車手続き関係
車庫証明や名義変更などの自動車登録関係業務も新人の行政書士にはおすすめです。
業務の難易度的にはやさしい方ですし、ネット上で情報も豊富にあります。
登録手続きに関しては国土交通省のホームページから信頼できる資料などもダウンロードできるので、本などの参考書も基本的にはそんなに買う必要もないでしょう。
自動車手続き関係も、行政書士の代表的な業務のひとつ
現在では自動車を遠方から購入する人なども多く、県外からもホームページ経由で依頼がきます。
受注から完了まで、そんなに時間がかかりませんので、入金までの期間も短めで、資金繰りにもよいです。
初回の依頼をきっちりこなせば、リピーターになってくれるお客さまも結構いるよ!
単価が安いので、ある程度の量をこなす必要がありますが、業務件数が多いので依頼を取りやすく、新人の行政書士にはおすすめです。
行政手続きに関するイロハ(初歩や基本)を学ぶにも、ちょうどよい業務かと思います。
【3】会社設立+創業融資関係
わたしがおすすめする3つ目の業務は、下記の業務を組み合わせてお客さまをサポートする業務です。
- 株式会社や合同会社などの設立手続き
- 日本政策金融公庫などからの創業資金の借り入れサポート(メインは「創業計画書の作成」)
常に上記の業務2つを組み合わせて依頼を受注できるわけではありませんが、2つの業務を組み合わせて行うことにより、下記のようなメリットを受けることができます。
- 報酬が高くなる(両方の業務を受注した場合)
- 差別化につながる
会社設立業務にかかわる士業としては、行政書士以外にも、司法書士、税理士がいます。
多くの士業がかかわる中、依頼を獲得するためには、ぜひとも差別化ポイントを持っておきたいところです。
「許認可手続きができる」ということも、司法書士、税理士あいてには差別化になるね!
実際に、会社の設立と合わせて、建設業許可申請などの依頼を受けることもあるよ!
反対に、司法書士、税理士も、他士業にはない差別化ポイントをそれぞれ持ってるけどね・・・
また、他にも下記のようなメリットがあります。
- 世の中のこと(基本的な会社の仕組みや資金調達などのこと)が分かり、自分にとって勉強になり、さらに、その知識が他の業務にも生きてくる
- 創業資金の借り入れサポートをして得られる知識は、今後の自分の資金調達にも役に立つ
- 「これから会社を設立して起業しよう」という人は前向きな人が多く、こちらもパワーがもらえる。刺激になり、楽しい
いろいろ、自分にとってもいいことあるね!
会社設立手続きのすべてを請け負う場合は、司法書士の協力が必要になります。
なので、事前に協力できる司法書士を探しておくことや、業務を受任した際は、司法書士と連携・コミュニケーションを図ることが必要になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
上記に、(新人行政書士にとって)わたしがおすすめする業務を挙げましたが、これはあくまでも、わたしの個人的な意見です。
行政書士には、お客さまから感謝される仕事がほかにもいっぱいあります。
- 外国人関係の業務
- 遺言・相続関係の業務
- 農地法関係の業務 など
外国人関係・・・コロナも終わり、訪日外国人も増えてるね・・・日本人はどんどん減っていくし・・・
遺言・相続関係・・・高齢化社会だしね・・・
農地法関係の依頼も結構多いよね・・・
開業前にさまざまな情報収集を行い、「開業当初の取扱業務」を事前にしっかりと決めておきましょう。